手元供養とライフスタイル──供養のかたちは、もっと自由でいい

手元供養とライフスタイル

お墓に対する考え方や価値観は、ここ数十年で大きく変化してきました。
「変わった」というよりも、「選択肢が増えた」と表現した方が近いかもしれません。

従来の常識にとらわれることなく、それぞれの事情や想いに合った形で故人を供養する。
そうした考え方が、少しずつ社会に根づいてきています。

費用面の違いはもちろんですが、なによりも大切なのはご自身のライフスタイルと無理なく続けられるかどうか
日常の中で自然に手を合わせられる形であれば、供養そのものが負担になりにくく、より深く故人を想う時間につながるのではないでしょうか。


ご遺骨の行き先は、一つではありません

供養の対象は、お墓であれば墓石に、お仏壇であれば位牌に向けられることが一般的でした。
一方で、近年はご遺骨そのものを身近に置いて供養する「手元供養」、海や山に還す「散骨」、墓地全体や樹木を象徴とする「樹木葬」など、さまざまな方法が選ばれています。

「ご遺骨は必ずお墓に納めるもの」という考え方が、唯一の正解ではなくなってきたのが今の時代です。
石のお墓が悪いということでは決してありませんが、供養に対する価値観が多様化しているのは確かでしょう。


ライフスタイルの変化と供養

最近よく耳にする「墓じまい」という言葉も、こうした変化の象徴の一つです。
お墓を継ぐ人がいない、将来無縁になる不安がある──そうした理由から、元気なうちにお墓を整理する方が増えています。

少子高齢化や核家族化が進み、「お墓を代々継承する」という前提が成り立ちにくくなってきました。
子どもに管理の負担をかけたくないという想いから、継承を前提としない供養の形を選ぶ方も少なくありません。

なお、墓じまいをした場合でも、ご遺骨は別の形で供養先を決める必要があります。
その選択肢の一つとして、手元供養を検討されるケースもあります。


供養は「相性」で考える

供養の方法を考える際には、ご自身の生活環境を一度整理してみることが大切です。

  • 夫婦二人暮らしで、子どもは遠方に住んでいる
  • 単身で暮らしている
  • 子どもが複数いて、それぞれ別の地域にいる
  • 親族はいるが、お墓参りの習慣が薄れている

ライフスタイルは本当に人それぞれです。

たとえば、地元に家族が残っていて「お墓参りをしたい」という想いがあるのに、遠方での散骨を選ぶと、残された方が寂しさを感じる場合もあります。
ご自身の気持ちだけでなく、残される人の想いも含めて考えることが、後悔の少ない選択につながります。


手元供養が向いているライフスタイル

手元供養は、継承を前提とせず、日常の中で故人を身近に感じられる供養の形です。
そのため、次のような方に特に選ばれています。

  • 地元を離れて暮らす子どもが、親を自宅で供養したい場合
  • お墓に納骨する予定だが、少量だけ手元にも残しておきたい場合
  • 子どもが複数いて、お墓の管理を誰が担うか決められない場合
  • 分骨という形で、それぞれが故人を偲びたい場合

こうしたライフスタイルは、今の社会では決して珍しいものではありません。
手元供養は、そうした現実に寄り添った供養方法の一つと言えるでしょう。

手元供養とライフスタイル


「お墓で十分」と思っている方にも

「供養はお墓で行うもの」と考えている方でも、手元供養を併用することで心が軽くなる場合があります。
必要な分だけを手元に置けるため、管理の負担が少なく、無理のない形で続けやすいという特徴があります。

もちろん、供養の正解は人それぞれです。
大切なのは、形式ではなく、故人を想う気持ちが自然に続くかどうか

ご自身にとって、そしてご家族にとって、納得できる供養の形を見つけていただければと思います。
皆さまが、心から手を合わせられる供養に出会えることを願っております。