遺骨ペンダントとは?身につけて供養する意味と選び方

遺骨ペンダント「小町」

人が亡くなった後、遺された人は、その人との関係をどのように続けていくのでしょうか。

葬儀が終わり、火葬を終え、遺骨を納めたからといって、故人との関係まで終わるわけではありません。

写真を飾る人もいれば、仏壇に手を合わせる人もいる。墓参りをする人もいるでしょう。

そして近年では、遺骨の一部を手元に残し、身につけるという選択をする人もいます。

それが「遺骨ペンダント」です。

遺骨ペンダントは、遺骨の一部を納めて身につけることのできる手元供養品です。

ただし、これを単に「遺骨を持ち歩くためのアクセサリー」と考えると、その意味を十分に捉えることはできません。

そこには、亡くなった人との関係を、これからも自分の生活の中に置いておきたいという思いがあります。

遺骨ペンダントとは何か

遺骨ペンダントは、ペンダントの内部に遺骨の一部を納め、身につけられるようにしたものです。

納骨できる量や構造、遺骨の納め方は商品によって異なります。

一般的には、ごく少量の遺骨を納めるものが多く、遺骨のすべてを納めることを目的としたものではありません。

ここで、「手元供養」という言葉についても考えておく必要があります。

手元供養というと、ミニ骨壷などに遺骨を納め、自宅に置いておくことを思い浮かべるかもしれません。

しかし、手元供養にはそれだけではなく、遺骨の一部を身につけるという形もあります。

つまり遺骨ペンダントは、遺骨を「家に置いておく」のではなく、「生活の中に置いておく」ための手元供養ともいえます。

※この記事では、遺骨の一部を納めて身につけるペンダントを、一般的な呼称として「遺骨ペンダント」と表記しています。博國屋では「納骨ペンダント 小町」という商品名でご案内しています。

遺骨を身につけることの意味

遺骨を身につけることについて、誰にでも当てはまる一つの意味があるわけではありません。

「いつも故人をそばに感じていたい」という人もいるでしょう。

「遠くに出かけても、一緒にいるように感じたい」という人もいます。

あるいは、墓や仏壇という従来の供養の場とは別に、自分自身の生活の中で故人を偲びたいと考える人もいるでしょう。

死別の後も、遺された人の生活は続きます。

仕事をし、買い物をし、旅行をし、誰かと食事をする。

そうした日常の中で、ふと亡くなった人を思い出すことがあります。

遺骨ペンダントは、その日常の中に故人とのつながりを置いておく一つの方法です。

したがって、「身につけることそのもの」が供養なのだと決めつける必要はありません。

身につけることで安心する人もいれば、特別な日にだけ身につける人もいる。

家にいるときは骨壷に手を合わせ、外出するときはペンダントを身につける人もいるでしょう。

供養のあり方は、死者との関係のあり方と同じように、一人ひとり異なります。

「遺骨を手元に残す」ということ

遺骨をどうするかという問題は、葬送の中でも重要な問題です。

日本では、火葬後の遺骨を墓地などに納めることが一般的でした。

しかし現在では、墓を持たない選択や、樹木葬、納骨堂、散骨、そして手元供養など、遺骨の扱い方も多様になっています。

背景には、家族のあり方や住まい方の変化があります。

子どもが遠方に住んでいる。

墓を継ぐ人がいない。

墓参りが難しい。

あるいは、そもそも「墓に納めることだけが供養なのだろうか」と考える人もいます。

こうした変化の中で、遺骨の一部を手元に残すという選択も生まれてきました。

遺骨をすべて墓に納めるのではなく、一部を自分の身近に残しておく。

そこには、「死者を自分の生活から切り離したくない」という感情があるのかもしれません。

ただし、それは「墓に納めることを否定する」という意味ではありません。

墓に納骨しながら、遺骨の一部を手元に残すこともできます。

大切なのは、どの方法が正しいかを決めることよりも、遺された人が故人との関係をどのように受け止めているかを考えることです。

遺骨ペンダントを選ぶときに確認したいこと

遺骨ペンダントを選ぶ場合、デザインだけで決めるのではなく、いくつか確認しておきたいことがあります。

どのようなときに身につけるのか

毎日身につけるのか、外出するときだけなのか。

旅行や法事など、特定の場面で身につけるのか。

使用する場面によって、適した大きさや重さ、デザインも変わってきます。

毎日使うのであれば、衣服との合わせやすさや、長時間身につけたときの負担についても考えておいたほうがよいでしょう。

納骨ペンダント「桜に拭き漆」

どのような素材・デザインを選ぶのか

遺骨ペンダントには、金属製のものだけでなく、木製のものや、漆、螺鈿などの装飾を施したものもあります。

ここでは、「遺骨ペンダントらしいもの」を選ばなければならないと考える必要はありません。

一般のアクセサリーを選ぶように、自分が好きなものを選んでもよいのです。

故人が好きだった色や素材を選ぶ人もいるでしょう。

故人が使っていたものを思わせるデザインを選ぶ人もいるでしょう。

一方で、故人とは直接関係がなくても、自分自身が気に入ったものを選ぶことにも意味があります。

遺骨ペンダントを実際に身につけて生活するのは、遺された人だからです。

遺骨をどのように納めるのか

商品によって、納骨部分の大きさや構造は異なります。

どの程度の遺骨を納められるのか。

どのような方法で開閉するのか。

自分で遺骨を納めるのか。

専用の道具などが必要なのか。

こうした点は、購入前に確認しておきたいところです。

特にインターネットで購入する場合は、写真だけでは構造が分かりにくいことがあります。

仕様や納骨方法を確認しておくことが大切です。

大きさや重さは適切か

ペンダントは、実際に身体につけて使うものです。

商品写真だけではなく、ペンダントトップの寸法や重量、チェーンの長さなども確認しておきましょう。

「気に入ったデザインだから」という理由だけで選ぶのではなく、自分の生活の中で無理なく使えるかを考える必要があります。

遺骨の一部を残す場合に知っておきたいこと

遺骨ペンダントに納めるのは、通常、遺骨の一部です。

そのため、「すべての遺骨を納めるのではなく、一部を手元に残したい」という考えから遺骨ペンダントを選ぶ人もいます。

ここで注意しておきたいのが、「手元に遺骨を残すこと」と「分骨」という言葉を安易に同じものとして扱わないことです。

分骨には、将来的に別の墓地などへ納骨する場合など、手続き上の問題が関係することがあります。

たとえば、将来その遺骨を別の墓地や納骨施設に納めることを予定している場合には、分骨証明書が必要となるケースがあります。

したがって、遺骨ペンダントを選ぶ際には、単に「少し遺骨を残しておきたい」と考えるだけでなく、その後のことについても考えておくとよいでしょう。

詳しくは、こちらの記事で分骨証明書について説明しています。

【分骨証明書って必要?|手元供養や分骨時の法的ルールと慣習】

遺骨ペンダントは「供養の形」を決めるものではない

遺骨ペンダントについて考えるとき、「これは正しい供養なのか」と考える人がいるかもしれません。

しかし、供養には一つの正解があるわけではありません。

仏壇に手を合わせる。

墓参りをする。

写真を見る。

思い出の場所を訪れる。

故人の好きだった料理をつくる。

そして、遺骨の一部を身につける。

それぞれが、故人を思うための行為になり得ます。

むしろ大切なのは、「何をすれば供養になるのか」という外側の形だけではなく、自分にとって故人との関係をどのように保っていくのかということではないでしょうか。

納骨ペンダント「小町」(黒檀と紫)

博國屋の遺骨ペンダント

博國屋では、京都を拠点に手元供養品を製作・販売しています。

遺骨ペンダントについても、一般的な金属製のアクセサリーとは異なるものとして、木地や漆、螺鈿など、日本の伝統的な素材や技法を取り入れたものを製作しています。

木の持つ質感。

漆の落ち着いた色合い。

螺鈿の貝が光を受けたときに見せる表情。

納骨ペンダント「小町-らでん-」(螺鈿)

こうした素材の特徴を生かしながら、身につけるものとして仕立てています。

遺骨を納めるための機能だけを考えれば、もっと簡単な形にすることもできるでしょう。

それでも、手元供養品をつくる側としては、遺された人が長く手元に置き、大切に使えるものであることも重要だと考えています。

故人が好きだったものを選ぶ。

自分が気に入ったものを選ぶ。

あるいは、その人との思い出につながるものを選ぶ。

遺骨ペンダントを選ぶということは、そうした思いを形にすることでもあります。

身につけることで、故人との時間を生活の中に残す

人が亡くなった後も、遺された人の生活は続いていきます。

悲しみが消えるわけではなくても、仕事に戻り、日常の生活を取り戻していかなければなりません。

その過程で、故人との関係がなくなるわけではありません。

むしろ、姿が見えなくなった後も、思い出したり、語りかけたり、心の中で相談したりすることがあります。

遺骨ペンダントは、そのような故人との関係を、身体の近くに置いておくための小さな器ともいえるでしょう。

いつも身につける必要はありません。

外出するときだけでもいい。

大切な日にだけでもいい。

身につけることで故人を思い出せるなら、それも一つの手元供養です。

供養の形は、時代とともに変わります。

そして何より、同じ死別を経験したとしても、その人との関係は一人ひとり違います。

だからこそ、「こうしなければならない」という形に自分を合わせる必要はありません。

故人をどう思い、これからどのようにその人との関係を続けていくのか。

遺骨ペンダントを選ぶことは、そのことを考える一つの機会なのかもしれません。

小町バナー
納骨ペンダント「ふたり」金継ぎと漆