ミニ骨壷付きお地蔵さんの製作現場をちょこっと紹介 -手元供養のことなら京都博國屋
博國屋の代表商品でもあり、手元供養の代名詞でもある納骨オブジェのお地蔵さんは京都の清水焼で出来ております。清水焼のお地蔵さんはあくまで外側、内側には真鍮製のミニ骨壷が入る仕様となっています。
今回はその外側である清水焼のお地蔵さんの製作現場をご紹介致します。
240年以上の歴史ある窯元
京都の瑞光窯で作られています。1771年と江戸時代に開窯された歴史ある窯元です。その窯元の職人の永野さんという方にお地蔵さんを作って頂いています。
黒地蔵の製作
お地蔵さんは全部で3色あります。柔らかい色合いの【陶板地蔵(ベージュ)】、優しい色合いの【赤地蔵】、シックで深みのある【黒地蔵】です。今回は黒地蔵の製作過程を見学させて頂きました。
粘土をこねる
お地蔵さんはそれぞれ原料である土の種類とブレンド率、焼き方、焼き時間が異なり同じ「清水焼の陶器」といっても、出来上がりの素材の風合いが違っています。
写真では、なかなか伝わらないところだと思いますが製作工程を見ていただくことで、納得と一種の親近感が沸いてくる?感覚を味わっていただきたいなー、、と思います。
2種の粘土を何度か切り分けて、配分率が均等になるように混ぜ合わせていきます。結構、力作業です。
成型に押し込む
特注で作った成型(これがかなりの重さがあります。)セットするだけでも重労働です。大量にあるわけではないので、一度に作ることができる数も決まっています。
この時点では、完成品の黒地蔵と色合いが全然違います。粘土色といった色合いですね。
zzz
成型は前身と後身を合わせてから、しばらく寝かします。そして、ポコッと取り出します。ここでの取り出しも注意が必要です。滑らかなフォルムのまま、傷が付かないようにデリケートに取り出します。
出てきたばかりの、ほやほや生地蔵です。
前身と後身の境界には、余分な粘土がまだついています。ここからさらに自然乾燥させて、少し表面が乾燥してきたら、この余分な部分をへらで綺麗にそぎ落とします。
ピカピカ
すると、つるんとしたピカピカのお地蔵さんになりました。生まれたての赤子のように優しく包み込むように抱えてもらってます。
最重要工程!!
ここが一番の難しい工程です。お地蔵さんの優しいお顔を、フリーハンドで描いてもらいます。描くというか、ライン上に溝を掘るといった感じです。失敗したら消しゴムで消してもう一度!っということはできないので、一発勝負です。
目の2か所と、口の全部で3本のラインだけなのですが、これまた少しのずれで表情がまったく変わります。基本的に優しいお顔なのですが、個性が出て、微妙な違いが良い感じになる時もありますが・・・
また深さによって、濃さも変わってくるのが特徴ですね。
お尻に刻印
最期に博國屋印をお尻に刻印してフィニッシュです。お疲れさまでした。
あとは窯に入れて焼きますが、この工程に進むまでに数日・・・・乾燥させますので、今日の作業はここまでです。
じっくり・・ゆっくり・・時間をかけて、ひとつひとつ出来上がっていく風景。
ご縁があって、いずれどこかのお家に旅立っていくお地蔵さんたち。朗らかな空気を装って、故人を偲ぶ心をほっと包み込む。。そんな役目を担っている・・お地蔵さんを形成する空気はたしかにここに存在していると感じました。
お地蔵さんの製作を担当していただいている、職人の永野さんお忙しい中失礼しました。そしてありがとうございました。永野さんの優しく澄んだ瞳の輝き、柔らかい物腰、心がその手からお地蔵さんに籠められているんですね。